流しそうめんを楽しむ女子高生のイラストを、AIとの対話で練りまくりました。今回は、その夏の制作記録をお送りします。
9月も後半になりましたね。
そろそろ、そうめんからうどんの季節になりつつありますが、今回は夏の制作記録を振り返りたいと思います。
時は7月の終わり。あまりの暑さに、見ているだけで涼しくなるような美女の絵が欲しくなりました。
選んだテーマは「流しそうめん」。竹林のそばのお店で、流れてくるそうめんを楽しむ女子高生のイラストです。
主役は、以前から描いている金髪碧眼の少女。いつも礼儀正しい優等生、という設定(仮)です。その優等生が、そうめんの前でだけ素に戻る。そんな一枚を目指して、AIと相談しながら制作を進めました。
いつもの通り、表情はすぐに決まりました。ただ、最後まで手こずったのは、そうめんを流す竹の樋。今回は、この竹さんたちとの格闘をお届けします。
優等生が、そうめんに本気を出す
最初に私がAIへ伝えたのは、「流しそうめんを楽しんでいる女子高生」という一言だけでした。
AIと相談して決めたのは、一枚に全部を詰め込まず、瞬間を分けること。流れてくるそうめんを狙う瞬間。箸でつかまえた瞬間。取れたそうめんを誇らしげに見せる瞬間。この3つです。
表情の軸は、ギャップにしました。普段は澄まし顔の優等生が、つかまえた一瞬だけ歓声を上げる。狙っているときは、模試の最終問題に向かうような真剣な顔。相手は、流れてくるそうめんです。
この設定が気に入り、4つの案を用意しました。引きの構図、顔のアップ、真剣顔、そして祖父母の家の庭で楽しむ番外編です。
画像生成には、当時のChatGPTの画像生成機能(GPT Image 2)を使いました。出てきた絵を見ながら気になる点を伝え、プロンプトの修正と再生成を繰り返しています。
きれいなのに、竹だけが大きい
できあがった絵は、どれもきれいでした。表情は狙いどおり。水のきらめきも涼しげです。
ただ、竹が大きすぎました。
そうめんが流れる竹の樋が、現実よりずっと太く描かれていました。流しそうめんというより、小さな水路。しかも、4案のうち3案で、竹の描写や大きさに違和感がありました。
問題は竹だけではありません。肩に掛けたはずの通学かばんは、部活用の大きなバッグに。庭の案では、奥にいる小さな人影がモザイクのように潰れていました。
AIとプロンプトを振り返ると、ひとつ抜けていたことに気づきました。竹を半分に割ってつなげる、脚で支える、といった「形」は伝えていました。一方で「大きさ」は、一言も伝えていませんでした。
流しそうめんの竹がどのくらいの太さか。私には当たり前すぎて、書くことを思いつきませんでした。
そこで書き足したのが、今回の絵で目指す寸法の目安です。竹の直径はおよそ10センチ。樋の幅は手のひらくらい。高さは腰のあたり。数字だけでなく、体の大きさと比べる形にしました。竹の節も、描写に加えています。
この修正で、引きの構図の案はほぼ狙いどおりになりました。すべての案が一度に直ったわけではありませんが、自分には当たり前の大きさでも、言葉にして伝える意味がある。今回の大きな収穫でした。
「AIっぽい光」って、どんな光?
もうひとつ引っかかったのが、顔のアップの案です。
かばんと竹の大きさは改善しました。それでも、何かが違う。私には、光の当たり方が、よく見かけるAIイラストのように見えました。
そのままAIに伝えると、提案されたのは、光の演出を抑えた線画と淡い水彩のような画風。試してみると、たしかにすっきりはしました。ただ、私が求めていた方向とは逆でした。修正を重ねるほど、微妙になっていきます。
そこで、言葉だけで説明するのをやめ、目指したい雰囲気の参考イラストを1枚用意しました。
AIは、その絵の特徴を言葉にしてくれました。細くて繊細な線。透明感のある塗り。暖かい光と、涼しい影の対比。
求めていたのは、光を消すことではありませんでした。光をもっと丁寧に組み立て直すことが大事だと気づきました。
この考え方を、流しそうめんの場面に置き換えました。木漏れ日の金色と、竹林の青緑の影。参考イラストを添えて生成し、竹の樋を追加で調整した結果が、こちらの一枚です。
右側の竹の樋だけは一度で決まらず、同じ会話の中で追加の修正を頼みました。その調整を経て、「おおむねいい感じ」と言える仕上がりになりました。
今回の画風調整では、言葉だけでやり取りするより、絵を1枚見せたほうが、目指す方向を共有しやすくなりました。これも、やってみて分かったことでした。
一方で、最後までうまくいかなかった案もあります。真剣顔の案は、2回試しても遠近感と竹の大きさが合いませんでした。庭の案は、人影を消して整えた結果、今度は「そうめんを流しているお母さん」に見えてしまいました。
何がうまくいき、どこでつまずいたのか。続きでは、実際に使ったプロンプトとあわせて振り返ります。