ATELIER LAB JOURNAL

きれいな絵なのに、何か違う。AIと「応援」のイラストを詰めてみた

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とある漫画から着想を得た応援イラストを、AIとの対話で練り直した制作記録。タイトルと表情のずれ、顔の陰影、ライブからSNSへの構図変更を、実際の相談とプロンプトを交えて紹介します。

久しぶりに、AIでイラストを作って投稿してみようと思いました。

お題は「応援」。とある漫画から着想を得て、誰かを全力で応援する気持ちを、大げさなくらいの熱量で描こうと考えました。吹き出しやセリフは入れず、表情や仕草から気持ちが伝わるものにしたい。そんな相談から始まりました。

ところが、生成した絵を見ると、きれいではあるものの、考えていたタイトルとは少し違う。そこからAIとやり取りを重ねるうちに、タイトル、表情、顔の陰影、場面の設定まで見直すことになりました。

今回は、その過程を実践ノートとして紹介します。アトリエラボでどんな内容を読めるのか知っていただくため、書かせていただきました!

最初に考えたのは、全力すぎる拍手

最初の案は、手前の人物が全力で拍手し、その背後にいる人型の光の存在まで猛烈に拍手している構図でした。

ものすごい力を、全部応援に使っている。その大げささを、少し笑える絵にしたかったんです。

もう一つ気にしていたのは、第三者が見たときの印象です。自分では応援のつもりでも、表情や距離感によっては、相手へ迫っているように見えるかもしれません。

そこで、応援する側は観客席、応援される側はステージに置く。ステージ上の人物は観客全体に手を振り、周囲の人も楽しそうにしている。熱量は手前の人物に集めながら、場面全体は明るい雰囲気にする方向で考えました。

「それっぽい言葉」に、元ネタはある?

絵と並行して、タイトルも相談しました。

最初に出てきた候補には、「君への応援に、手加減はしないィーーッ!!」のような、勢いのある言葉がありました。ただ、私が欲しかったのは、知っている人が元のセリフを思い出せるようなアレンジです。

そこで、出された案が実際のセリフを下敷きにしているのか聞いてみました。AIの返答は、「前の案は特定のセリフに対応したものではなく、語感を意識して作ったもの」という説明でした。

ここは、確認してよかったところです。言い回しに雰囲気があっても、出典まであるとは限りません。

あらためて元ネタを確認して出てきた中で、私が気に入ったのが、この案でした。

ふるえるぞハート! 燃えつきるほどエーーールッ!!

着想元のセリフは、公式コラボ商品の紹介で表記を確かめました。元のリズムを残しながら、一語を「エール」に置き換えると、応援の意味につながります。出典は末尾の参考資料にまとめています。

ここで挙げた「エール」のタイトルは、相談中に作ったアレンジ案です。

タイトルは熱い。でも、絵は落ち着いていた

この頃に確認した生成画像が、こちらです。

紫と青緑の衣装の男性と背後の精神体が、ステージに向かって笑顔で拍手する制作途中の生成画像
制作途中の生成画像

制作途中の生成例。華やかな舞台と拍手は描かれていますが、応援役には、ゆったりと楽しんでいるような表情が見られます。

衣装も光も華やかで、テーマの方向は悪くない。それでも、「燃えつきるほどエールを送る」というタイトルを添えると、少し温度差がありました。

そこで私は、「タイトルとイラストが乖離して、内容が伝わらないのでは」と相談しました。

見直すと、最初のプロンプトには「小さく自信のある笑み」「優雅な精神体」という指定が入っていました。少なくとも、こちらの指示の中にも、落ち着いた印象へ向かう要素があったわけです。

次の案では、タイトルの言葉を、目に見える動作に分けました。

伝えたいこと

絵で指定したこと

胸が高鳴っている

片手を胸に当て、胸元から光の波紋を広げる

気持ちがあふれている

髪や服をなびかせ、光を体の周囲へ立ち上らせる

全力でエールを送っている

もう片方の手を口元に添え、喜びに満ちた顔で声援を送る

背後の大きな存在はいったん外し、応援する本人に表情と動きを集中させる案にしました。

「もっと熱くして」と頼むところから、どの表情と動作なら熱さが見えるかを考えるところへ、相談が進んだ感覚でした。

顔の印象は、陰影の指定まで見直す

次に気になったのは、応援役の顔でした。

日本人の成人男性をイメージしていたのですが、顔の彫りが、自分の想像よりも深く感じられました。「日本人男性」と書き足しても、まだ欲しい印象から離れている。

そこで、今回の人物に欲しい輪郭や陰影を、もう少し具体的に言い換えました。

  • 鼻筋の高さは控えめにし、短い線と小さな影で描く。

  • 目元や鼻の脇に、深い影を入れすぎない。

  • 頬のこけや顎の角張りを弱め、緩やかな輪郭にする。

  • 嬉しそうに声援を送る表情は、そのまま残す。

一方で、ポーズ、衣装、配色、光の演出には、漫画らしい大げささを残す方針にしました。

画面全体へ同じ強さの陰影を指定すると、顔にもその強さが乗る余地があります。顔、服、背景のそれぞれに、どんな描き方をしてほしいかを分けて伝える。今回のやり取りで覚えておきたい工夫です。

ライブ会場から、SNSの「いいね」へ

さらに相談していて、「これだと、アイドルのライブに行っている感じが強い」と気づきました。SNS上で応援している場面も見てみたかったんです。

そこで考えたのが、スマホの投稿を見て、いいねを一つ押す瞬間です。

操作は小さくても、本人の心の中では全力のエールを送っている。そのギャップを、胸から指先へ伝わる金色の光で表す案にしました。

舞台を変えると、指定すべきことも変わります。SNSの場面では、特に次の関係をはっきり書きました。

  • 部屋に実際にいる人物は、応援する男性一人。

  • 女性は、スマホの公開投稿に載った写真の中だけに登場する。

  • スマホを持つ手と、いいねを押す手は、同じ人物の体につながっている。

  • 画面のハートは「いいね」のボタンで、空中にはハートを浮かべない。

「SNSで応援している」という一文を、人物の居場所、画面の境界、手の動きに分解する。ここでも、描いてほしい関係を具体的にする作業が必要でした。

同じ場面から、別の案も考えてみる

途中では、普通のアニメ調にした案も相談しました。胸に添えた手や嬉しそうな表情は残し、超常的な光の代わりに、夕暮れや温かな舞台照明を使う方向です。

また、最初の拍手の構図へ戻り、応援する側を金髪の成人女性、ステージ上を男性アイドルに入れ替える案も作りました。男性にはマイクを持たせ、女性と背後の精神体は拍手する、という役割の整理もしています。

これは最初の拍手の構図から派生した、もう一つのバリエーションです。

同じ「応援」でも、絵柄を変えるのか、場面を変えるのか、登場人物の役割を変えるのか。それぞれを分けて考えると、試したい方向が見えやすくなりました。

次に相談するときにも使いたい、修正依頼の形

このやり取りで役に立ったのは、「ここはいい」「ここが違う」を、両方伝えることでした。

たとえば、構図は気に入っているけれど顔だけ直したいなら、残したい構図も一緒に書く。SNSへ場面を変えるなら、参考画像から引き継ぐのは顔や配色で、背景とポーズは作り直したいと伝える。

次のひな型は、今回の相談をもとに、この記事用に整理したものです。

この画像について、次の点を踏まえて修正用プロンプトを考えてください。

伝えたいこと:
[例:応援できる嬉しさが、思わず表情に出ている瞬間]

今の画像で気に入っているところ:
[例:人物の配置、衣装の色、背景の雰囲気]

イメージと違うところ:
[例:口を閉じた落ち着いた表情で、声援の勢いが伝わらない]

今回変えたいところ:
[例:口を開けて嬉しそうに声援を送る表情と、口元に添える手]

保ってほしいところ:
[例:人物の年齢感、衣装の配色、ステージとの距離]

参考画像は、保ってほしい要素の参照に使ってください。
変える点と保つ点が矛盾していれば、先に指摘してください。

OpenAIの画像プロンプトガイドでも、目に見える配置や動作を具体化し、編集では変える点と保つ点を明記する方法が案内されています。指示を書いた後は、残したい部分まで変わっていないか、生成画像で確認します。出典は末尾の参考資料に掲載しています。

私の場合は、最初から完成形を説明できたわけではありません。出てきた絵を見て「何か違う」と感じ、どこが違うのかを言葉にすることで、欲しかったものが少しずつ具体的になりました。

付録:SNSで応援する場面のプロンプト全文

以下は、会話中に作成したSNS版をもとに、記事掲載用に整えた指示案です。作品名による指定を、ポーズ・陰影・配色などの具体的な描写に置き換えています。新しい構図から生成するためのもので、参考画像なしで使う想定になっています。プロンプトはAIへの指示文のことです。

この版について、この記事では生成後の仕上がりまでは検証していません。試すときは、表情、スマホ画面の向き、両手のつながり、画面内外の人物の位置を見てみてください。

Create a vivid, theatrical manga illustration of a Japanese adult man sending encouragement through social media.

Portrait format, approximately 4:5. One continuous scene, without comic panels or written dialogue.

CORE VISUAL STORY
A man sees a public social-media post that makes him genuinely happy. His heart surges with excitement as he taps the Like button once.

The humorous idea is that this tiny everyday gesture carries the emotional intensity of an ultimate supernatural technique. His encouragement feels enthusiastic, warm, and sincere.

SETTING AND COMPOSITION
Exactly ONE person is physically present in the room: the adult male fan.

He sits at a simple desk in a comfortable room at dusk. Include only a few understated background details, such as a plant, a bookshelf, and a warm desk lamp.

Use an elevated three-quarter side view from beside and slightly behind his right shoulder. Show his expression in partial profile and a readable view of the smartphone screen.

He holds the upright smartphone in his left hand and taps its screen with his right index finger. Both arms must connect naturally to his visible body. Keep the phone oriented toward his eyes.

Make the smartphone large enough in the composition that the social-media interface is recognizable. Balance his face in the upper-left area with the phone in the lower-right foreground.

THE MAN
Depict a Japanese man in his late twenties or thirties, with short black hair, dark brown eyes, and a clean-shaven face. He wears a deep-purple casual jacket over a muted teal shirt.

Give him a gently oval face, moderately full cheeks, subtle cheekbones, a softly defined jaw, and a low-to-moderate nose bridge. Keep the eyes relatively shallow-set.

Render his face with clean lines, broad midtones, and small, soft shadows. Use gentle fill light on the nose and eye area. Avoid deep eye sockets, hollow cheeks, a strongly projecting brow ridge, or heavy nose-side shadows.

His eyes brighten, his cheeks lift, and his lips part in an excited, delighted smile. He leans forward slightly, fully engaged in the moment. His expression should show a sudden surge of happiness.

THE SMARTPHONE POST
The woman appears ONLY as a flat photograph inside a public social-media post on the smartphone display.

The photograph shows an adult blonde woman with a small cat-shaped hair accessory, wearing a casual cream-colored cardigan in a pleasant everyday outdoor setting. She smiles naturally for the photograph.

Clearly contain the entire photograph within the phone's screen boundaries.

Use a recognizable generic public-feed layout: a small circular profile image at the top, the photograph, and a row of Like, comment, and share icons underneath. Represent any interface text with subtle abstract gray lines.

The man's fingertip is touching the Like icon, which has just become a small filled red heart. This heart is an interface button.

HEARTBEAT AND ENERGY
Golden concentric ripples radiate from the man's chest, expressing his pounding heart. A brilliant amber aura rises closely around his shoulders and back.

A thin ribbon of golden light follows his right arm toward the fingertip pressing Like. Keep the phone screen readable.

Treat these effects as a manga visualization of his feelings. Nothing strikes the woman or emerges from her photograph.

ART DIRECTION
Use dramatic, theatrical manga poses, dynamic perspective, expressive movement, bold clothing contours, sharp clothing shadows, and saturated violet, teal, amber, and gold.

Keep the facial anatomy gently contoured and the facial shading restrained. Concentrate the strongest stylization in the clothing, composition, and supernatural heartbeat effects.

Make the relationship between his excitement, the glowing fingertip, and the small Like button immediately readable.

CONSTRAINTS
No stage, concert, audience crowd, or humanoid spirit.

Do not depict the woman outside the smartphone, another person in the room, a video call, private-message bubbles, floating portraits, or detached hands.

No romantic floating hearts. The only heart-shaped symbol is the Like button in the interface.

Do not render readable text, speech bubbles, captions, titles, sound-effect lettering, platform logos, or watermarks.

参考画像を添える場合には、冒頭へ次の指示を追加する案も出しました。

参考画像から、男性の顔立ち・髪型・衣装の配色を引き継いでください。構図、人物配置、背景、手の動作は、以下のSNSの場面に合わせて描き直してください。

画像を見ながら「この表情は好き」「この場面は違う」と一つずつ伝えるところからでも、相談は進められます。この記録が、ご自身のイメージをAIに伝えるときの手がかりになれば嬉しいです。

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